SEO記事の鍵を握るサジェストとは？

サジェストキーワードとは一体どんなキーワードなのでしょうか。
サジェストキーワードの基本的な概念を説明します。

検索エンジンの分析による推奨キーワード

サジェストキーワードとは、検索エンジンでユーザーがキーワードを入力する際に、入力したキーワードに基づいて自動で提案される推奨キーワードのことを言います。
ユーザーが求めている情報へいち早く到達するための、検索エンジンのサポート機能です。

例えば、Googleで料理と入力すると「料理　イラスト」「料理　レシピ」などのサジェストキーワードが表示されます。
サジェストキーワードはユーザーが知りたい情報を取得するためのヒントとなります。

関連キーワードとの違い

サジェストキーワードは検索ボックスへ入力している途中で表示されます。関連キーワードは、検索結果を表示したページの下部、またはサイドバーに表示されることが多いです。

同じキーワードが表示されることがあるため、サジェストキーワードと関連キーワードは同じに見えますが、実は似て非なるものです。
違いを一覧表にまとめてみました。

サジェストキーワードはより具体性を持った検索ワードの提案、関連キーワードは検索結果に対する深掘りをサポートするためのキーワードです。
いずれもユーザーが探し求めている情報により具体的に、早くたどり着くためのサポートですが、少しだけニュアンスが異なっています。

Googleのサジェストキーワードが表示されるアルゴリズム

代表的な検索エンジンの一つであるGoogleを例として、サジェストキーワードが表示される仕組みを説明します。
仕組みを理解しておけば、構成や記事作成に活かすことができます。

キーワードの月間ボリューム

GoogleとYahoo!では、キーワードとともに検索されている回数が多いワードがサジェストキーワードとして表示されています。検索クエリが大量に送られていることがサジェスト基準の重要なポイントです。

多くのユーザーが検索している＝検索ニーズが高いワード、という認識です。検索エンジンだけでなくSNSで急に注目が高まったテーマも検索数の増加によってサジェストキーワードに現れます。

ユーザーが検索した場所

ユーザーの所在地に対応したサジェストが表示されるケースはよくあります。例えば東京都三鷹市に住んでいるユーザーが、「ラーメン」と検索すると「ラーメン　三鷹」と表示されるパターンです。
検索エンジンがIPアドレスやGPSから情報を読み取って、ユーザーをサポートするためにサジェストしています。
飲食店だけでなく、病院や美容院、郵便局など位置情報と関連性が高い検索ワードはサジェストとして表示される可能性が高いです。

ユーザーの検索履歴

ユーザーが行った過去の検索履歴を元にサジェスト表示されるケースも多くあります。検索履歴を元に表示されるサジェストを「パーソナライズ検索」と言います。
ユーザーが検索に使っているブラウザにキャッシュされているCookieのデータを元にサジェストを追加していく仕組みです。
ユーザーが事前に年齢や性別を登録しておくと、パーソナライズ検索はよりピンポイントなキーワードを提案してくれるようになります。

検索急上昇ワード

ネットニュースやSNSで話題になったワードは検索されるケースが多いため、サジェストキーワードとして表示されるケースが多いです。
前述の検索ボリュームとは別に、短期的に検索数が急増したワードまでカバーしています。
日々どのようなワードがGoogleで検索されているのかを知りたい場合、Google Trendsを使うと確認できます。

サジェストキーワードを記事に取り込む効果

サジェストキーワードを記事に取り込む具体的な効果を3つのポイントにて説明します。

メインキーワードではカバーできないコンテンツの強化

記事を作成するときは、基本的にメインキーワードを中心に進めますが、メインキーワードだけでは、ユーザーの検索意図を幅広くカバーできません。
サジェストキーワードから読み取れる検索背景をうまく汲み取りつつ、ユーザーの満足度を上げるためにコンテンツを強化します。
記事全体でユーザーが抱える課題を解決するイメージです。

検索エンジンの検索順位を上げる

サジェストキーワードは実際にユーザーがよく検索しているワードです。したがって、サジェストキーワードを記事に取り入れると、検索にヒットしやすくなり、結果として検索順位の向上に繋がります。
クリック率の向上につながる可能性も高く、SEO対策に効果的です。

内部リンクを強化できる

サジェストキーワードをメインキーワードとした記事を別に作成しておくと、内部リンクで繋げやすくなります。
関連情報の内容が長くなるようであれば、別の記事で新しいコンテンツを作成し、積極的に内部リンクを設置しましょう。
ユーザーのサイト内回遊率がアップするとSEOパフォーマンスもアップします。

サジェストキーワードを取り込んだ構成の考え方

サジェストキーワードは記事本文に盛り込むと同時に、記事の構成にもできる限り明示した方がより効果的です。
サジェストキーワードを使った構成の作成方法について説明します。

サジェストキーワードの調査とサブテーマの決定

まずはサジェストキーワードの調査から始めましょう。
もっともシンプルな調査方法は、検索窓の下に表示されるサジェストキーワードを確認することです。
この方法ではキーワードをコピーアンドペーストしにくいため、ラッコキーワードやUbersuggestなど専用のツールを使った方が良いです。まずは関連するサジェストキーワードをリストアップしましょう。
リストアップできたらサジェストキーワードを元にユーザーの検索背景を分析し、検索意図を満たすための構成作成を考えます。
メインとなるテーマの他に、サジェストキーワードを元にしたサブテーマを作成しましょう。

構成の作成

メインキーワードをh2中心に設定しつつ、h3やh４にてサジェストキーワードを盛り込んだ項目を展開します。
h2で掲げたテーマをより細かく、関連情報を盛り込みつつわかりやすく論理展開する役目を追うのがh３、h４です。
一つの項目でしっかり説明できれば記事が論理的で読みやすくなり、SEOに強い構成が完成します。
テキスト中に無理してサジェストキーワードを入れる必要はありません。
テーマをしっかり設定できていれば、意識せずとも自然に文章中にサジェストキーワードが網羅されます。

内部リンクの設定

多くのサジェストキーワードに言及したい時は、内部リンクを効果的に使いましょう。
一つの記事で多くのテーマに触れてしまうと、メインテーマがぶれてしまいます。
多くのテーマを扱った結果、結局何を言いたいのかわからない記事ができてしまうわけです。

また、多くの記事を内部リンクでつなげば、SEOにも良い影響を与えます。長期的に見てトラフィックの向上にも繋がるでしょう。
ユーザーが欲しい情報をサイト全体でカバーする意識はSEO対策上、とても大切です。

記事作成に使えるサジェスト検索ツール

サジェストキーワードの調査と記事設計に欠かせないツールを3つ紹介します。

ラッコキーワード

ラッコキーワードはラッコ株式会社が運営する無料のキーワードツールです。
以前は、関連キーワード取得ツールという名称でしたが、アップデートとともに名称変更され、今ではレンタルサーバーも取り扱うようになりました。

ラッコキーワードはサジェストキーワードだけでなく、共起語や見出し抽出、キーワードに関連するユーザーのQ&A情報のリンクなど、キーワードから構成を作成するための情報が網羅されています。
SEO記事の構成を作成する人にとって、もはや欠かすことのできないサイトです。
記事作成に必要なツールはラッコキーワードでほとんど事足りると言っても差し支えありません。

フリープランでも十分に利用できますが、1日のリサーチ回数に制限が設けられています。
回数制限なく利用したい場合は有料会員になりましょう。

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、Google広告を利用している人のために用意された無料のツールです。
サジェストキーワードの調査だけでなく、検索ボリュームによって検索ユーザーの検索意図を把握できるため、構成作成の際に欠かせないツールの一つです。

サジェストキーワードの調査にも利用できますが、キーワードプランナーは検索ボリュームに特化した使い方の方が良いでしょう。
「ラッコキーワードでサジェストキーワードを洗い出し、Googleキーワードでサジェストキーワードごとの検索ボリュームを調べる」という使い方が効果的です。
サジェストキーワードの検索ボリュームがわかれば、検索意図やニーズの把握に大いに役立ちます。

ウーバーサジェスト

ウーバーサジェストは、サジェストキーワードのリサーチや競合分析、サイトの監査まで、SEOに関する分析を一つのプラットフォームで実現できるツールです。
ウーバーサジェストの多様な機能を一覧表にまとめてみました。

ウーバーサジェストは、サジェストキーワードのリサーチだけでなく、サイト全体の分析や競合分析にも大いに役立ちます。
構成や記事作成の段階で必要となる競合分析もできるため、SEO記事作成に欠かせないツールの一つと言っても良いでしょう。

良質な記事に欠かせないサジェストキーワード

サジェストキーワードはより良い記事作成に欠かせません。ユーザーの検索意図を全て巻き込んだ記事によって、ユーザーが抱える課題の多くを一つの記事で解決できます。
検索意図を満たしていない記事を提示したところで、ユーザーはすぐに他のサイトへ移動してしまうでしょう。

サジェストキーワードはユーザーへ明示できることを考慮して、構成の見出しに網羅する方が良いです。
メインテーマをさらに深掘りするためのキーワードとして上手く活用しましょう。

本記事で紹介しているツールは、サジェストキーワード調査だけでなく、記事設計にも役立ちます。ぜひとも有効活用してみてください。