- 更新日:2024.10.04
- 投稿日:2024.09.27
【2024年最新】SEOの歴史とこれからのSEO
またその歴史の中で、Google検索エンジンの登場と、さまざまなアップデートがSEO対策に大きな影響を及ぼしてきました。
当記事では検索エンジンの誕生からSEOの歴史をご紹介し、これからのSEOについて解説したいと思います。
- 1.SEOの歴史を紐解く
- 【1994年〜2001年】ディレクトリ型検索エンジンの登場〜Yahoo!JAPAN全盛期
- 【1997年〜2011年】「Google」の登場と被リンク対策の全盛期
- 【2011年〜】コンテンツの質を重要視する「パンダアップデート」
- 【2012年〜】過剰最適化にペナルティを与える「ペンギンアップデート」
- 【2013年〜】自然なコンテンツが求められる「ハミングバードアップデート」
- 【2014年〜】ローカルSEOが本格的にスタート「ヴェニスアップデート」
- 【2014年〜】著作権侵害のサイトを申告「パイレーツアップデート」
- 【2015年〜】モバイルSEOのはじまり「モバイルフレンドリーアップデート」
- 【2015年〜】Googleが人工知能を実装「ランクブレイン」
- 【2017年〜】専門性・権威性・信頼性のあるサイトを上位表示する「医療アップデート」
- 【2018年〜】パンダ・ペンギンに続く3つ目の大アップデート「コアアップデート」
- 【2018年〜】Googleの重要な方針転換「モバイルファーストインデックス」
- 【2019年〜】人工知能の活用を強化した「BERTアップデート」
- 【2019年〜】Googleビジネスプロフィールが重要に「ローカル検索アップデート」
- 【2021年〜】ユーザー体験の良し悪しを判断する「ページエクスペリエンスアップデート」
- 【2022年〜】主なコアアルゴリズムアップデート
- 【2023年〜】主なコアアルゴリズムアップデート
- 2.2024年〜これからのSEOトレンドは?
- 3.まとめ
1.SEOの歴史を紐解く
【1994年〜2001年】ディレクトリ型検索エンジンの登場〜Yahoo!JAPAN全盛期
Webが誕生した当時、「ディレクトリ型検索エンジン」と「ロボット型検索エンジン」の2つがありましたが、1990年代後半から2000年初頭までの間、Webサイトを検索する手段はこのディレクトリ型検索エンジンが主流でした。
1994年からLycos、Yahoo!、infoseek、Exiteなどの検索エンジンが登場、1996年「Yahoo!JAPAN」の誕生により、一気に日本の検索エンジンシェアのトップに躍り出たのです。
ディレクトリ型検索エンジンとは、人の手によってWebサイトの名前や紹介文、URLなどをデータベースに登録し、カテゴリ別に整理したもので、情報収集や編集は人の手に委ねられていました。
また、ディレクトリ型検索エンジンに対するSEO対策は、「Yahoo!JAPANにカテゴリ登録をする」ことで、その中でも同一カテゴリ内に登録された競合サイトの上位に表示させることでした。
当時圧倒的なシェアを誇ったYahoo!JAPANですが、爆発的に増えるサイトを人の手で振り分けるには限界があったようです。その後Googleが登場し、検索市場を席巻するまでは大きな影響力がありましたが、ロボット型検索エンジンの台頭により、2019年には国内の大手ディレクトリサービスはすべて消滅することになります。
【1997年〜2011年】「Google」の登場と被リンク対策の全盛期
Yahoo!カテゴリを筆頭としたディレクトリ型検索エンジンの全盛期、ロボット型検索エンジンは非常に使いづらい状態でした。1990年代当時のロボット検索エンジンは、不当な検索エンジン対策を施したWebページで溢れていたからです。
そのような状況の中、1997年に「Google」というロボット型検索エンジンが登場したのです。
Googleの検索結果が、圧倒的にユーザーが求めるWebページを上位に表示していることで、瞬く間にロボット検索エンジンシェアのトップへと上り詰めました。
当時のGoogleアルゴリズムは被リンクの評価が高く、内容の質が低くても被リンクを集めることで上位表示してしまう現象が続きました。これにより、自作自演リンクや被リンク購入、相互リンクがSEO対策であるという誤った認識が広がってしまったのです。
この現象を打開するために、Googleはアルゴリズムに対する大規模なアップデートを実施しました。
【2011年〜】コンテンツの質を重要視する「パンダアップデート」
2011年から実施されたのは「パンダアップデート」という、コンテンツの品質に関する評価を厳しくするためのアップデートです。このアップデートにより検索順位が下げられたページの特徴は、
- ・他のサイトからテキストをコピーしただけのコンテンツが多いページや、そんな独自性の低いページを持つWebサイト
- ・同じドメインのサイト内に、他のページのコンテンツの一部や全部をコピーしているだけのWebページ
このアップデートにより、自社サイトのコンテンツの使い回しや、他のドメインのWebサイトからの情報のコピーがペナルティになるという認識が広がり、コンテンツの品質がSEO対策にとって重要な要素になりました。
【2012年〜】過剰最適化にペナルティを与える「ペンギンアップデート」
2012年から実施されたのは「ペンギンアップデート」という、Webサイトの過剰な最適化にペナルティを与えるアップデートです。この「過剰最適化」とは、以下のことです。
- ・上位表示を目指すキーワードをWebページに大量に埋め込む
- ・外部ドメインからのリンク(被リンク)を大量に増やす
このアップデートにより、キーワードを過剰に詰め込んだユーザーにとって見づらいWebページの検索順位が著しく落ちる結果となりました。また、誰も見ないような質の低いリンクを集めたWebサイトの評価も下がることになり、アクセスが伴った質の高いリンクが評価されるようになりました。
【2013年〜】自然なコンテンツが求められる「ハミングバードアップデート」
2013年から実施されたのは「ハミングバードアップデート」です。このアップデート導入で、Googleの検索が「自然な会話に近づいた」と言われています。
例えば、カフェが近所にないか探していたときに「カフェ 近所」と検索すると、アップデート前は「カフェ」「近所」という単語が入ったページが表示されていました。
それがアップデート後にはGoogleが「近所でカフェを探しているユーザーだ」と検索意図まで読み取るようになり、最寄りのカフェのページや地図など、検索したユーザーに役立つページが表示されるようになったのです。
このアップデート後、SEOはキーワードの数よりも「検索意図とマッチする自然なコンテンツを書くこと」が重要視されるようになりました。
【2014年〜】ローカルSEOが本格的にスタート「ヴェニスアップデート」
「ヴェニスアップデート」とは、Googleのアルゴリズムの一種で、ユーザーの位置情報を検索結果に反映するものです。2012年2月にGoogleが世界的に実施したのですが、日本でGoogleの検索順位が地域によって大きく変化したのは2014年末からでした。
当時、日本全国どこでも上位表示されていたサイトが、地域によって順位にバラツキが出るようになり「ローカルSEO」が本格的にスタートしたのもこの時期になります。
また、ヴェニスアップデートをGoogleが実施した理由には、モバイル端末の普及によってレストランや美容室などのローカル情報を探すモバイルユーザーが増えたためとも言われています。ここから「モバイルフレンドリーアップデート」へ向かいます。
【2014年〜】著作権侵害のサイトを申告「パイレーツアップデート」
2014年10月、Googleは著作権侵害を行なっているサイトを検索結果に表示させないようにする「パイレーツアップデート」を行いました。Google側が専用フォームを作成し、一般ユーザーから著作権侵害を行うサイトを申告してもらうという方法でした。
【2015年〜】モバイルSEOのはじまり「モバイルフレンドリーアップデート」
2015年2月、Googleは4月21日よりWebサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキング要素として使用することを発表しました。そして予告通り、PC版Googleとモバイル版Googleの検索結果に差が出始めたのは4月21日からでした。
この「モバイルフレンドリーアップデート」以降、サイトのスマホ最適化はSEO対策にとって欠かせないものとなりました。その約2年後にGoogleは「モバイルファーストインデックス」という、SEOの歴史の中で非常に大きな方向転換をすることになるのです。
【2015年〜】Googleが人工知能を実装「ランクブレイン」
2015年10月、Googleに関する大きなニュースが発表されました。それはGoogleが「ランクブレイン(RankBrain)」というAIを導入し、検索順位の算定を始めたというニュースです。
この人工知能の実装により、1秒あたり数百万と言われる検索クエリのかなりの部分を処理できるようになったと言われています。検索クエリと記事の関連性をAIが判断することによって、より正確にユーザーの検索意図を把握して、適切な検索結果を返すことができるようになりました。
これにより、ユーザーのニーズに合う質の高いコンテンツをWebページとして提供することがSEO対策の重要な要素となったのです。
【2017年〜】専門性・権威性・信頼性のあるサイトを上位表示する「医療アップデート」
2017年12月、Googleは医学の専門知識があると認定されている企業や団体以外が、医療に関わるキーワードで上位表示できないようにアルゴリズムを改変したことを発表しました。いわゆる「医療アップデート」です。
このアップデートにより「国家資格がある」「国からの許認可が与えられている」「客観的に証明できる能力がある」信頼性という基準を満たしたサイトだけが、病名や薬品名、症状などのキーワードで上位表示されるようになりました。
また、このあとコンテンツの信頼性を要求されるサイトは、法律や金融の分野にも及んできました。こうした分野のことをGoogleは「YMYL(健康・医療・お金・生活)」と呼び、この分野ではGoogleの検索品質評価ガイドラインで定義されている「E – A – T(専門性・権威性・信頼性)」があるサイト以外は上位表示されなくなりました。
【2018年〜】パンダ・ペンギンに続く3つ目の大アップデート「コアアップデート」
2018年8月には「コアアップデート」がはじめて実施されました。このあと2021年6月、7月、11月と立て続けにアップデートが実施されています。このアルゴリズムアップデートによって、「検索クエリと関連性の高いページの検索順位があがる」ことが確認されました。また「信頼性の高いサイトの検索順位があがる」という変化もありました。
この時期からコンテンツの質だけでなく、サイト運営者の「E – A – T(専門性・権威性・信頼性)」が評価されるようになり、Googleで上位表示するためには、これまで以上に信頼性の高い情報を発信することが求められるようになりました。
【2018年〜】Googleの重要な方針転換「モバイルファーストインデックス」
2018年初頭、Googleはモバイルファーストインデックスを導入しました。モバイルファーストインデックスが適用されると、モバイル版サイトの内部要素がPC版も含めたGoogleの評価対象になります。そのため、内部SEO対策はモバイルサイト中心に行う必要が生じました。
Googleがモバイルファーストに移行したことにより「全ページのモバイル対応」「サイトの軽量化」「スマホユーザーのトラフィック獲得」を実現することが重要となりました。
【2019年〜】人工知能の活用を強化した「BERTアップデート」
2019年10月、GoogleはBERTという技術を導入し、AIを強化することで検索の精度を向上させたという発表をしました。これをSEO業界では「BERTアップデート」と呼んでいます。
このアップデートでは、人工知能を基にした自然言語処理技術を用いて、あいまいなクエリや会話型のクエリなどの文脈を読み取って、より正確な検索結果を表示できるようになりました。検索クエリとよりマッチするページが上位表示されるようになったのです。
【2019年〜】Googleビジネスプロフィールが重要に「ローカル検索アップデート」
2019年10月、GoogleはBERTという技術を導入し、AIを強化することで検索の精度を向上させたという発表をしました。これをSEO業界では「BERTアップデート」と呼んでいます。
このアップデートでは、人工知能を基にした自然言語処理技術を用いて、あいまいなクエリや会話型のクエリなどの文脈を読み取って、より正確な検索結果を表示できるようになりました。検索クエリとよりマッチするページが上位表示されるようになったのです。
【2021年〜】ユーザー体験の良し悪しを判断する「ページエクスペリエンスアップデート」
2021年9月、Googleは新しいアルゴリズムを導入しました。このアップデートは「ページエクスペリエンスシグナル」という評価技術を使用して検索順位を決定するものです。
ページエクスペリエンスシグナルとは、UX(ユーザー体験)の良し悪しで検索順位が変わる評価技術です。その中で主観的なユーザー体験を客観的にするために数値化したものが「ウェブに関する主な指標(コアウェブバイタル)」です。
Googleが特に重要とするのは以下の3つの指標です。
- ・読み込みのパフォーマンス(LCP)
- ・インタラクティブ性(FID)
- ・視覚的な安定性(CLS)
これらの指標はPageSpeed Insightsで確認することができます。このコアウェブバイタルの導入で、サイト管理者がページエクスペリエンスの改善を行いやすくなりました。
SEOに与える影響はそれほど大きくありませんが、同じような評価のコンテンツが並んだときの表示順位の要因になると言われています。
【2022年〜】主なコアアルゴリズムアップデート
2022年は5月と9月にコアアップデートが行われました。どちらのアップデートに関してもコンテンツの品質の良し悪しが順位に影響を与えていたようでした。
また、8月には「Helpful Content Update」という検索アルゴリズムが追加されました。ユーザーに役立つコンテンツが高評価され、上位表示されるようになりました。
一時的な変動があったものの数週間で落ち着いたこともあり、SEO対策としては引き続きコンテンツの質を高めることが当時の見解でした。
【2023年〜】主なコアアルゴリズムアップデート
2023年のコアアップデートは3月、8月、10月、11月の4回実施されました。コアアップデートは展開開始から完了まで約2週間です。更新時期は順位の変動が大きくなる傾向がありますが、更新完了後は徐々に順位の変動が緩和されて行きます。
各時期の変動が見られたジャンルは以下になります。
- ・3月:YMYL系(健康・医療・お金・生活)のジャンルの順位変動が目立った
- ・8月:YMYL系の中でも、暮らし、恋愛、結婚、住宅、引越しなどのジャンルの順位変動が目立った
- ・10月:財務、金融、法律などのジャンルの変動が大きく、就職、旅行、グルメなどのジャンルの順位変動も目立った
- ・11月:特に医療、お金、法律の順位変動が大きく、続いて美容、住宅などのジャンルの変動が続いた
2.2024年〜これからのSEOトレンドは?
E – E – A – T(経験・専門性・権威性・信頼性)は引き続き重要
2022年12月、Googleの検索品質評価ガイドラインが更新され「経験」が加わりました。
ここでの経験とは、「実際に訪れているか」「使用してみたか」「購入したか」などの経験者にしかわかり得ないコンテンツであるか、を問われているということです。2017年の医療アップデート以降、専門性、権威性、信頼性は引き続き重要度が高く、今後のSEOにおいても外せない要素となるでしょう。
ユーザーに役立つコンテンツであるかは数々の指標で評価される
ユーザーの期待に応えるコンテンツであるかどうかは、様々な評価基準があるようです。
例えば、リンク、検索クリック率、滞在時間、再訪率、SNSのシェア数など、ユーザーの満足度を測るシグナルが多数存在します。指標の詳細は明かされていませんが、ますます総合的なSEO戦略が必要になってきているということです。
画像や動画コンテンツはビジュアルで「ユーザー経験」を満足させる
2022年以降、Googleの検索結果には記事のサムネイル画像など、以前よりも画像の扱いが増えています。段階的に増えていることからも検索ユーザーからの反応が良いことが見て取れます。
また、TikTokやInstagramなどの普及により、今後はサイト内にビデオコンテンツを積極的に取り入れることも求められるでしょう。もちろん画像も動画もページのテーマに合った内容を埋め込むことが大事です。
U – F – T(独自性・情報鮮度・テーマ性)が重要視される
今後Googleが重要視すると考えられている指標が「Uniqueness (独自性)」「Freshness (情報鮮度)」「Theme (テーマ性)」の3つです。
- ・他の上位サイトに記載されていない独自性のある情報が、ユーザーにとって有益なコンテンツであると評価される
- ・更新日を記載し、常に情報の鮮度を保つことにより信ぴょう性や有益性を高めることができる
- ・ドメインと記事のテーマが一致することで情報の信頼性があがる。関連するSNSや外部メディアでの露出を増やすなど
3.まとめ
2024年のSEO対策も引き続き「ユーザーファースト」が大前提です。
情報鮮度や画像、ビデオコンテンツなどのビジュアル要素の重要度も高いので、SNSのリアルタイム性をページに取り込むことも有効と言えるでしょう。
ただし、ユーザーが求めるものは有益で良質なコンテンツです。
Googleのガイドラインやアルゴリズムアップデートを意識し、ユーザーに役立つ質の高いコンテンツを目指しましょう。